希望通りの晴天の下
毛糸を編んでは、ほどく


編み物をすこし、習おうと思ったのは
癖を、直したかったからだ
基礎の基礎だけ、それも我流での編み方をしてきたわたしは
流れるように編むということができず、とにかく遅い
それで、もうすこし大きなものを編むまえに、
きちんとした編み方を、身につけたかったのだった

だけど、染みついた我流の構えというのは
洗い流そうとしても、簡単には落ちず
新しい動きがまったくトレースできずに、
ちょっとしたパニックに陥ってしまう


いやいや、本当に、なんでもこうだよなあ
わたしはものごとを覚えるのがものすごく遅くて
そのぶん、覚えたらわりに忘れにくいタイプなので
一度間違って覚えてしまったりすると、大変

まあ、でも
編み方が直れば、ずいぶん幅が広がるはずだから
冬のあいだに、すこしずつやろう
輪針にも、早く慣れたいしね



仕事をしに、お店へ行くと
ポストに、友達からの手紙が届いていた
何が入っているのかしらと、大きな封筒を開けると
わたしの妹への安産守りで
心づかいが、なによりうれしかった

わたしは、たいそうな人間ではないけれど
こんなわたしのことを、信じていてくれる人がいて
その事実に、救われている

彼女は、美しい言葉で、
いつも、そのことを思いださせてくれる人
丁寧な文字を、大事に追って
開店のときにもらった手紙の横に、そっと仕舞った



外は、秋の陽気
気持ちのいい、季節だ

さて、また、お店を開ける
週後半の、三日間