セント・パンクラス駅から、電車に乗って
愛する、ライの町へ

最初に、ライへ行ったのは
渡英した最初の月だった
あれからいったい、何度訪れただろう

何度訪れても
そのたび、恋に落ちる
不思議な街だ


きょう、ここを訪れたのは
実は、仕事で
けれど、話がとんとんと進んで、あっという間に終わり
思っていたより、余裕があったので
教会の塔に上ったりすることもできた

雨の予報はどこへやら
空は、やさしいブルーで
こんなこともあるのだな、と、幸せを噛みしめた


観光客が多いと言われている、ライだけれど
街の側は、いたって普通なのがいい
自分がかわいいことが、十分にわかっていて
それでも飾らない女の子、といった風情

このままでいてくれるかぎり
わたしは、何度でもこの街に来て
そして、何度でも、好きになる



夜も、仕事をしている時間が長くて
朝は、はやく起きて外へ行くので
なかなか、体力が戻せない
毎日、作業途中で電池が切れたように寝てしまい
夜中にいちど目が覚め、寝直している

そんな中で、こうして
自分の時間を、持つことができるということ
好きな場所に寄ったり、電車で本を読んだり
夕方に散歩をしたり、馴染みの店で食事をしたり
細切れでも、そういう時間に、気力をもらっている

仕事の旅が
想像の何倍もハードなことを、知った
それでも、すこしずつ
ペースをつかんでいければいい


わたしにできること、目の前のことを
ちゃんと、ひとつずつ