楽しみにしていた、ふたり旅へ
今回は、レンタカーで尾道から今治方面に島々を渡り
高知へ行ったあと、東予港まで戻り夜行フェリーで大阪に向かう、という
なかなかハードな旅程
そのうえ、運転した彼は、土曜に神戸でレンタカーを借りて淡路島、徳島と走り
香川に泊まって、日曜昼に福山までわたしを迎えに来たというから
その体力にただただ感心してしまう
美しい風景を、海風を、陽の光を、目一杯吸い込んだ
パワフルで明るい、自由な旅だった
実は、しまなみ海道は二度目で、
前回はたまたま台風のときに当たってしまったのだけど
今回はお天気に恵まれて、無事にリベンジ達成
泊まった生口島をメインに、浮かぶ島々をつぎつぎに渡って
釣りをしている人たちを眺めたり、透明な水辺を歩いたりした
高知市の牧野植物園は、言わずもがな素晴らしいところで、
最初の温室ではしゃぎすぎて体力を使い切ってしまうほどだった
ちょうど、牧野が信頼していた植物画家、山田壽雄の企画展もやっていて
緻密で美しい植物画の数々に釘付けになった
生口島では鯛の釜飯、高知では鰹のたたきを食べ、
東予からのフェリーでは宇和島の鯛めしを食べた
大阪でも朝から市場に行って鯖を食べたので、
終始、魚料理を楽しんだ旅でもあった
どれだけ言葉を足していっても、ぜんぜん足りない気がする
太陽に目を向けたあとみたいに、瞼の裏にくっきりと残る、
眩しい三日間
そもそも、こういう旅程になったのは
わたしが今回の旅行の前半部分のプランを、彼が後半部分を
お互い、相手も考えているとは思わず、同時に立ててきたからだ
8月末に因島でのライブが中止になってしまったばかりの彼と、
牧野植物園へ行ってみたいと口にしていたわたし
ふたりとも相手のことを思って組んできた旅程だったのがうれしくて
くっつけられそうだったからくっつけたのだった
結果、なかなかの移動距離にはなったけれど、
わたし達らしい、いい旅だったよ
日本で夜行フェリーに乗ったのは初めて
部屋は綺麗で、大浴場まであり、
食堂のご飯もどれを注文するか迷うくらいだった
船の甲板からは、
真っ暗な海と、線のように連なった街の灯りが見えた
明るい月から遠いところにある星を数えながら、
水をかき分ける勇ましい音をただ聞いていた
こういう乗り物が好きな彼は、
生き生きと歩き回り、あれやこれやとわたしの世話を焼いていた
わたしもフェリーが好きで、海外ではいろんな路線に乗ってきたし
ひとりで本を読んだりして過ごす気楽な船旅もいいけれど、
隣にウキウキの人がいるというのもいい
また、どこかの路線に一緒に乗れたらいいな
これからの楽しみがひとつ、増えたかも