花屋さんにすこし残っていたスカビオサ
けっこう花がパラパラしてるから、と言って
お店の方がサービスしてくれた

茎がうねうねでかわいい
もうすこし背の低い花瓶に飾ってもよかったかしら

陽当たりなのか風通しなのか、
仕事場は、ほんとうに花が長く、きれいに保つ
これも、このビルが好きな理由のひとつだ


先週からの怒涛の仕事を終え、
きのうの大雨を越えて
きょうはやっと、気持ちがすこし晴れた
なんだかんだ、きょうもデスクワークの日だったけれど、
それでも、多少はすっきり

あまりの雨にきのう出せなかった荷物を出しに行き、
半時間、バラ園を歩く
盛りが過ぎているバラは、もうふわふわはしていないけれど
色が褪せても、目が離せない艶やかさがある

力強さを増した空の青
風も、もう初夏の匂いがする
首が詰まった服も、フェルトをあしらったペンダントも
そろそろお休みかもしれないね

 

4月の終わりにポール・オースターが亡くなり
アリス・マンローも、今月半ばに逝ってしまった
これからは、ふたりがいない世界、
そして、ふたりが見ることのない、描くことのない世界を
わたしは生きなくてはいけないということになる

たよりない気持ちになっていても、
仕方がないことはわかっている
それでも、このどうしようもない寂しさを、
動かさずにこのままにしておきたい


大河の一滴とも言えないような読者のわたしでも
遠くまで連れていってくれる人たちとして、
彼らのことを信頼している
今も、これからも、変わらずに

勝手に、置いていかれてしまったような気がしていたけれど
彼らの小説は100年先でも生きて、
多くの人を照らす光でありつづける
文字が、文章が、物語が、読まれるというのはそういうことだ

この世から離れたようなバラ園を歩きながら、
ぼんやりと、そんなことを思っていた