中学一年生の子たちが
ワイワイと職場訪問にやってきた

女の子がふたり、男の子がふたり
キャー!かわいい!全部ほしい!と大騒ぎの女の子たちと
この店ひとりでやってんの?すげえ、とそれなりに楽しげな男の子
そして、一切のやる気を見せない男の子の組み合わせ
とにもかくにも、そのパワーに目を見張る一時間だった

子どもたちと話すのはとにかくおもしろい
わたしにとっても、いい機会だ


店について、わたし自身について
この仕事を選んだ理由
質問に答えながら、そんなお話をしたり
こまごまと商品の説明をしたり
みんなiPadでメモをとって、
同じiPadでたくさん写真や動画を撮っていた
ここが好き、ここも撮りたい、この角度がいいと思う、と
試行錯誤しながら撮影をする子供たちを
こういう世代なのだよなあと、感心して眺めた

途中からはもう完全にタメ口で喋っていたのに
最後に、挨拶しなくちゃ、と慌てて原稿を読み始め、
本日はありがとうございました、
わたしたちの将来について考えるいいきっかけになりました、と
めちゃくちゃ棒読みで言うのであまりに可笑しくて
ほんまか!?と漫才みたいにツッコんでしまった
ほんとだよぉ、と笑う子たちと一緒にこちらも笑い
ハイハイ、それならよかった、と送り出す
最後まで手を振ってくれる子に手を振り返しながら、
すくなくともわたしにとってはいい時間だったなと、思った


わたしは中学生の頃から、いつか留学に行きたいと思っていたし
もう北欧が好きで北欧の音楽を探して聴いていたし
自転車で京都の雑貨屋さんを巡ったりしていました、
皆さんもぜひ色んなものを見て、色んなことに興味を持ってください、
世の中には案外いろんな仕事があるからね、と
ちょっと大人みたいに言ったけれど
すこしでも伝わっただろうか

興味を長くあたためて、長く努力をすれば、
自分だけの、独自のものになり得るということ
そして、それを認めてくれる人がたくさん現れるかもしれないということ
正直、わたし自身は、
大人になってずいぶん経たないと実感を得られなかったけれど
だからこそ丁寧に言葉にしたいと、思う

まあ、こういうのは自己満足だから、
べつに伝わっていなくてもいいんだけどね
ここに来てよかった!という子どもたちの言葉を
都合よく受け取りたいな


しかし、先生ってつくづく偉大な仕事だよねえ
たった一時間でも、子どもたちの注意をしっかり引きながら
話をするというのはたいへんなことだ

最近、中高一貫校で先生をしている友だちが、
中一のときに担任していた子たちの成人式に出たらしく
感慨深かったと言っていたけれど
それはそうだろうなあと、きょう改めて思った
ほんとうに尊敬しかない

 

子どもたちが用意してきた質問のなかに
やりがいを感じるのはどんなときですか、というものがあった
ふたつあげてもいいかしら、と前置きして
ひとつは、英語やスウェーデン語を使って作家さんたちと仕事の話をしているとき、
もうひとつは、さっきのあなたたちみたいに、
お店に入ってきた人が、わぁー!って言ってくれたとき、と答えた

つとめて軽く聞こえるように話したけれど
わたしは、そういう瞬間があるからここにいられるのだ


ほんとうは、棚卸もまだできていないところがあるし
来週半ばまでに確定申告に向けて色々まとめないといけないし、云々
大人はまあ、わりと面倒なんだけれど
やりがいを感じることもけっこうあるから、
明日からも、がんばろうと思うよ