仕事ずくめのゴールデンウィーク
きのうから、始まっている

もちろん、特別忙しいときでもあるけれど、
年一、二回のペースで通ってくださっているお客さんたちと
楽しくお話できる機会が多いときでもある
お祭りのような数日

 

 

ちょうどきのう、仕事に出るとき、
わたし宛の手紙が届いていることに気がついた
差出人は、スウェーデンイェーテボリにいる友だち

仕事場に向かいながら開けてみると、見慣れた端正な文字
冒頭に、あなたになにかを書いて送りたくて、とあって
思わずマスクの下で笑顔になる
愛のある書き出しだ

クリスマスでも誕生日でもない、
なんでもない日の手紙


彼女は、わたしが人生で出会った誰よりも
やさしく、理性的で、愛情深い
わたしに落ち込むようなことがあると、そのたびにさりげなく、
美味しいチョコレートやビスケット、紅茶やワインがあると言って
部屋に遊びに来ないかと誘ってくれたものだ

親しく名前を呼んでくれる、やわらかい声は
来る日も来る日も一緒に過ごしたときが遠くなろうとも、
変わらず、耳に残っている


工芸学校での日々は、わたしのひとつの基礎で
あの場所で、全力をかけてものを作るという経験をしなければ、
そして、そこで彼女と、友人たちとさまざまな話をしなければ
今のこの店は生まれていない

忙しさにかまけがちな連休の最初にこの手紙が届いたのも、
なにかの巡り合わせかしらね
初心忘るべからず

 

彼女がイェーテボリの大学に入り直した三年前、
すぐに遊びに行くよ、と、言った
出張で訪れる機会もあるイェーテボリ
いつでも叶えられると、思っていた

もうすぐ、大学最後の試験が終わったら
彼女は引っ越して、工芸学校時代にも繋がる、ある仕事を始めるそうだ
三年がこうして過ぎたことを切なく思っていないで、
その町に会いに行きたい

これから先のことは、もしかしたら、
わたしが決めることができるかもしれないから