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店の、わかりづらすぎるお正月飾り
これはこれで、けっこう気に入っているけれど


ディスプレイを直しながら、
ふっと、火が消えたように、暗い気持ちになる
去年の6月に営業を再開してから
こんなに静かな日は、これまでなかった

窓から、凍えるほど冷たい、強い風が吹き込んでくる
そういえば、次のお客さんもキャンセルになったんだった、と
気がついて、閉める


気を取り直し、コーヒーでもいれよう、とドアを開けると
そこに、ちょうどやってきた大家さんがいた
美味しい柿の種とチョコレートを持ってきてくれていて
この寒さだというのに、のんびりと立ち話

他愛無い話でも、なんとなく落ち着いて
行き場のない気持ちを、飲み込む
持つべきものは大家さん


わたしの業種でも
昨年からあんなに懸命にやってきたのに、と思うのだから
飲食業の方々などは余程だろう

一人ひとり、違う苦しみを抱えている
みんな大変だから、なんて、ない

誰かのために、自分のために
つねに最善を考えなくてはいけない
その重たさよ

 

母は、簡単な手術をして
またすこしずつ、ものが食べられるようになった
一昨日、遠くの病院の寒い待合で待った4時間は永遠のようで
この気持ちを一目一目に乗せたくないと思うと、編み物ができず
目を思いきり見開いてiPadに向かい、全集中で仕事をしていた

あれもこれも、というこの頃で
すこし先のことさえも、怖くて想像ができないけれど
きっと良い方向に向かっていると信じて、ただ行くしかない


先のことはと言いながら、これから3月頭ごろまでわたしも繁忙期
春夏のオーダーだ

個人の苦しさをなんとか切り離して
今月はオンラインで行われる展示会を、楽しもうと思っている
誰よりわたしが楽しまないと、いいものを届けられないから

誰かに楽しんでもらうため、
やるべきだと思うことを、前向きに、シンプルにやる

去年から、ずっと繰り返している言葉を
しっかり心に留めて