f:id:lumi31:20200922015905j:plain

 

恋人と会うのは8ヶ月半ぶり
京都の外に出るのは7ヶ月ぶり
屋内での外食は半年ぶり

人生の一部がぱたりと止まったような2020年
あまりに変わった日常に慄く気持ち半分、
何ヶ月ぶりだろうと変わらないものがあることに安心する気持ち、半分

 

きっとそれほど混んでいないだろうと
日曜は、奈良公園へ行くことに決めた
ところが、奈良市中心部に向かう道がもう大渋滞
予想外の事態に、困惑してしまう

着いてみると、鹿はみんな
お腹がいっぱいという雰囲気で眠たげ
きっと連休に入ってから、鹿をはるかに凌ぐ数の人がえさをやったに違いなく
鹿せんべいを差し出しても、口をつけてもくれない

鹿を愛する恋人は、悲しげにしながらも
人を避けつつ、せんべいを食べてくれる鹿を根気よく探し、
あちこちに鹿せんべいが捨て置かれているのを見ては
鹿せんべいを捨てるような奴は最初から買わない方がいい、
鹿への愛が足りない」と怒っていた
真っ当だ

結局、とにかく人と接触しないようにと動いていたら
外ではほぼ何もできずに終了
だけど、予約していたアフタヌーンティーは、
ほとんどお客さんがいなくて、気をつけて静かに楽しめた

ふたりともずっとマスクをして、窓を開けて、という
いつもとは違うドライブだったけれど
ひさしぶりの、うれしい休日だった

 

わたしの仕事は、全方面でコロナの影響があり
とにもかくにも、この数ヶ月、辛かった
だから、遊びに行けないこと、大事な人に会えないことを
まずそれより仕事をなんとかしなくちゃという感じで、
相対的に軽く見ていた気がする

だけど、こうして恋人と会うと
彼の近くにいて、その明るさを浴びられないことで
どれだけ栄養不足になっていたかを、知る
一緒にいるとひたすらに笑っているわたしに、
彼は、燃費がいいと言っては感心しているけれど
きみと会っているときのわたしは、燃費がいつもとは違うんだぜ

今年、もしかしたらもう会えないということもあるのか、と思うと
黒い雲が胸のうちに広がるような気分だけれど
それでも、いつか好きなだけ会える日までも、そんな日が来てからも
この人との関係を、いい温度と湿度を保って大切にしたいと、思った

14年目
まだまだ、新しい気持ち

 

f:id:lumi31:20200922015927j:plain

 

ビビッドな夕焼け
ちょっと怖いねえ、などと言い合う時間が
なんだか特別なものに感じた
わたし達は、普段、天気や空の色を共有していないから

この日をとても、とても楽しみにしていた分
魂が抜けてしまったような気分だけれど
小箱にでも入れてそっと仕舞っておいて、
ときどき眺めたいような日を、いま過ごせたことを
なにより、喜ばないといけないな