失敗だらけの一日
泣きたい気持ちで、デスクに座り
自分のための小さな空間に、癒しを求める
ストックホルムから、メッセージが届く
今いちばん楽しみな仕事、新しいトレーを作る話だ
頭をスウェーデン語に切り替え
息を大きく吸って、吐いて、次へ
当初の予定では、新しいトレーは2柄
だけど今回は、小さいトレーなので
最低注文数が思いのほか大きかった
わたしは、この数でも問題ないと言ったけれど
トレーの絵を描いている、取引先で、今は友人でもある人は
2柄でも、たとえば4柄でも全体の数がこれを超えさえすればいいんだって、
なら4柄作らない?と、言ってくれた
これまでの作品をトレーにしても、いいものができるのに
新しい絵を、このために描いてくれるという
その提案をしてくれたということが、もう本当にうれしい
うちは当然、すべての商品が買切、
しかも物価の高いヨーロッパから送られてくるので
こういうときには、外からはなかなか想像もつかないであろう元手がいる
もちろん、よくあることなのだろうけれど
店の規模に対して大きすぎるリスクを頻繁に背負うのは、けっこう怖いし
ここまでしなくてもと、自分でもちょっと思う
だけど、いいものができると信じられるときは
デザイナーを100%信じ切って、迷わないと決めている
もちろん闇雲にというわけじゃなくて、
その人と、生み出されてきたものを、ずっと見ているわけだから
目の前の人を、大事に
箱庭みたいな店だけれど、
だからこそ、手の届く範囲のことをやるだけだ
こういう状況になってから
店について考えることが、本当に増えて
でも、書いたものはほとんど消してしまっている
わたしにとっての誠実は、誰かにとっての不誠実
じゃあ、なにをどういう風に追うのか
答えを出そうとすること自体、もうだめ、という気もするけれど
それでも、どれだけでも問い直す
薄暗い、自分の範疇で、
そうして、なんとかやっていく