日曜日
店で、きのうやり残した仕事を終わらせ
窓につく雨粒を眺めながら、アイスコーヒーをカップに注ぐ

ほの暗い店が、不思議に心地よくて
そのままデスクで『若草物語』を読む
I・IIを合わせた新版が出てから、
一冊、自分のものを裏に置いているのだった

 

現代を生きる多くの女性にとって
この物語の主人公は、きっと、
オルコットが自身を投影したという、次女のジョーだ
まっすぐに、強情に、孤独に生き方を模索する姿は
わたしにとっても、自分自身を映す鏡で、
こうありたいという姿や希望でもある

それでも、今は
ほかの誰よりも、末っ子のエイミーに惹かれる
ローリーに、軽蔑している、とお説教する一場面などもそうだし
たとえば、自分には芸術家としての才能がないと率直に話したり、
結婚後、才能があるのに恵まれない人たちの支援をしたいと言うところ
要領がよく、多くのものを手に入れる人として描かれてはいても、
エイミーの言葉には、迷いを振り払う賢さと強さがある
子どもだったときには、読み取れなかったけれど


グレタ・ガーウィグ監督の映画
予告や短い動画を見る限り、四姉妹それぞれ、
もちろんエイミーも、とても魅力的

イギリスのPrime Videoにあったから
喜んで再生しようとしたら、日本からはだめだった
映画館に行きたいけれど、さすがにまだ難しいかなあ

 


このエイミーの詰め方よ
それこそ、あのお説教はどうなっているんだろうか
もし原作に近いシーンが映画にもあるなら、
ローリーが蒼白になるくらいガチガチに詰めていてほしい

 

店を再開した、今週は
多くのことを考えられず、怒涛のように過ぎていった

できる限りのことをしたつもりだけれど、
お客さんが、どう感じたのかはわからない
楽しい時間を過ごせたと、思ってもらえていればいいのだけど


三月以前、よく来てくださっていた方たちに
三日間で何人もお会いして、それが本当にうれしかったな
予約ではじめてお名前を知った方が多いので、
お顔を見たときの、この方だったのか…!という喜びが凄かった

ただの、小さないち雑貨店なのに、
わざわざ予約をしてまで(!)、足を運んでくれる
こういう店があるのだと、忘れないでいてくれる
それが、どんなに得がたく、ありがたいことか、
もう、よく知っているから


なにはともあれ、再始動
まあ、ずっと仕事はしていたわけだけれど、
やっぱり店に立つと、背筋がのびる

わたしも、この小さな場所を守れるくらいには、賢く強くありたい
そう、思っている

 

若草物語 1&2

若草物語 1&2