雲ひとつない空に誘われて
ほんの少しの散歩
紫陽花の咲く小径は
たくさんの見物客で賑わっていた
日傘を閉じ、人のいない株の前に立って、
陽に透けるうす紫の花々を見上げる
ついこの間まで芍薬が咲いていたところは
すべて花が終わり、誰も居らず静まり返っていた
どうにも切なくなってしゃがみ込み、深い緑色の葉を眺めた
もし、花がわたしたちのように何かを感じるとすれば
人間はいったい、どんな風に見えるだろう
もう、初夏を通り越し、盛夏の風情で
冬からのあまりの差に、単純に驚いてしまう
日本の、長い長い夏
また長袖を着る日には、どんな状況になっているかしら、と
どうしても、考える
一秒たりとも、何事もなかったようにはなれない、
自分にいい加減うんざりしてしまう
店で作業をしなければいけないことを、思い
すこし元気になって、コンビニで冷たいコーヒーを買った
未来のことよりも、まずは、今だ
それにしても
ふた月以上もあって、
しかも、毎日けっこうな時間仕事をしていたはずなのに
なんでウェブショップの準備どころか、
再オープンの準備だけでも追いつかないのかしら
昨秋から今春にかけてとくによく着たワンピースたち
ついに、クリーニングに出した
三着とも大好きだから
しばらく着られなくて、寂しいけれど
また、秋にね