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昼の光が消えようとする時間
自分の書き物机を、美しいと思う

いまは、より強く
自身を圧縮したような場所を求めているのかもしれない

 

4月の頭ごろから
眠れなくなったこともあって、
ドイツ語にすこし時間をかけている

気持ちが圧迫される中でも、毎日続けたいので
あえて、本の精読などはせず
ニュースなどを読んで、確認しておきたい文法や、
わからない単語などを、つぎつぎ調べるだけ
それだけでも、日にかならず1時間、となると
けっこうなボリュームになる


平静でいるだけでやっと、という状態で
きょうも生きている、偉い、と思うんだけれど
やっぱり、こうしてなにかを必要以上にこなしていないと、
わたしは、生きている気がしないのだ

こういう自分に、嫌気もさすけれど、
これまでできなかったことをやっているだけ、という気もする

 

昨夜、ずっと編んでいた恋人のセーターを
何週間分も、ほどいた

まったく色味の違う糸が、2、3枷混ざっていて
不自然にツートンに分かれてしまい、どうしても気になるからだ
気にしないでおこうと思って編み進めていたけれど
どうせなら、ちゃんとしたものを着てもらいたい、と思った


きょうは、花の水を替えていたら
古い花瓶の持ち手が音もなく折れ、破片で怪我をした

赤い血が、右手の中指から流れるのを
理解できなくて、しばらく、ぼんやりと見つめた


本当になにをしてもダメなときというのがある
趣味、ちいさな日常まで、連鎖的にダメになっていって
動けば動くだけ、足をとられるようで
ずぶずぶと沈んでいくようなとき

こういうときは、落ちるところまで落ちて、
そして、時間を置いてから、気分を変えるしかない
無理をして続けようとすれば、
被害は広がるばかりだと、もうよくわかっている

イギリスやスウェーデンにいた頃のことを
なんとなく、思い出していることに気がついて
ふと、可笑しくなる
長いわたしの留学生活には、たしかに、
どん底と呼べるような日々が、何度もあった


中指に薬を塗って、絆創膏を巻く
ちょうど関節のところだから、ピアノを弾くのに邪魔で
気が滅入るけれど、しかたない

編み物は、しばらく他のものを編んで、
またこのセーターに戻ってくることにした
趣味でやっていることなのだから、無理にこだわらなくていい

やらなければいけない仕事を、きちんとやれれば
きょうは、もう、それでいい

 

イギリスの作家さんから
ようやく、またアトリエに行けるようになったよ、と
さっき連絡があった

わたしの仕事は、外出制限が解けて、
お客さんが戻ってきてくれればいいというものではない
もとのように仕事ができるようになるには
最低でも、これから1年はかかるだろう
そして、完全にもとのように戻るということは、
まず、ないだろうと思う

それでも、すこしずつ進んでいく
わたしたちがみんな、進むことをやめない限りは

すこしずつ、やっていくしかないんだって
ちゃんと、わかっている