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削れたような山と
滝のしぶき

火山を思わせる岩に
ふかふかとした苔

アイスランド語は、やっぱり
わたしには、古風に響く

すこし荒々しく、敢然とした言語
そう感じるのは、
この国の歴史を思うからかもしれないけれど

ごつごつした岩を登り
壮大な風景を、見下ろす
自分の暮らす場所と、あまりに違って、
なにかを見失ったような気持ちになる

レイキャヴィークのあたりも
もともとは、こういう風景だったのかもしれない

海からこの土地に辿り着いた人たちも
ここを、美しいと思ったのだろうか

8年前にこの国を訪れたときに知った、Sin Fang
その後、ずっと聴きつづけているけれど
風景に重ねると、ふと、涙が出てきた

舞台から降りたような気がした
人も、その生活も、音楽も、
この土地から見れば、一瞬咲く花のようなものだ

冷たい風が吹きつける
ダウンジャケットのフードをかぶり
また歩きだす

音楽があれば
すこし、心づよい

どこまでも
わたしはわたしと旅をするのだな