10月最後の日
派手に、体調を崩した

土曜日に、たっぷり煮込んでおいた冬瓜を
火を通し直して、食べる
残しておいてよかったな、と
やわらかくなった冬瓜を齧りながら、しみじみ


この部屋には、テレビがない
普段は、あまりほしいと思わないけれど
こういうときには、遠くを流れる情報が、恋しい

うとうとして、うなされるのが怖い
自分の敵は自分だ



身体の具合がよくないと、
なにを読んでいいのか、わからない
長い文章は、頭に入っていかないし
幸福も、哀愁も、ただただ重たく感じてしまう

ペソアを開けて、閉じ
サバを開けて、閉じ
Everyman's Libraryの、詩集を手に取る
色々な作家の詩を、季節ごとに並べたものだ


トマス・ハーディの、10月最後の週、という詩が
やわらかく、すこし寂しく、夜に溶ける

The trees are undressing, and fling in many places ―
On the gray road, the roof, the window-sil ―
Their radiant robes and ribbons and yellow laces;
A leaf each second so is flung at will,
Here, there, another and another, still and still.

季節の境界のささやかな瞬間、その美しい羅列が
鎮痛剤のように、感じた



さて、しかし
まだまだ熱は下がらず

眠れなければ、今夜をどう越えようか、と不安だけれど
なんとか、明日へ