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きょう届いた荷物の開梱中
失くさないよう、ボウルに細かいものを入れていて
その美しさにはっとする

もちろん、仕入れには苦しさも付き纏うけれど
日々、こういうものがいっぱいの店で仕事ができるのは
それだけで幸せなことだ


これまでにない量の仕事を、とにかくこなしているうち
これまでにない数の間違いを生んでしまった、今月

頑張ればなんとかなると思っていたし、
ちゃんとできない自分に、ひたすらにガッカリしていたけれど
ここに来てようやく、これは無理なのだと認めるに至った

悩みに悩んだ末、店舗の予約システムをきょう導入
これで、少なくともミスは減るはずだ
逆にこれによってうまくいかないことも出てくるとは思っていて
だからこそ、ずっと踏み切れなかったわけだけれど
それならそれで、すこしずつ軌道修正していけばいいのかな

なにより、お客さん全員に正しい情報を伝えて
そして、できれば、気持ちよく過ごしてもらえるように
きちんとしなくてはいけません

 


最近、Lissieのピアノ・バージョンを集めたアルバムが気に入っていて
店のライブラリにはあまり向かないかしらと思いつつも、ひっそり入れている
好きな曲は多いけれど、In Sleepは特別で
流れてくると、思わず手をとめてちょっと聴いてしまう

2011年から13年にかけて、とにかくよく聴いた曲
その後半暮らしていた場所が、主にスウェーデンだったし
大雪に見舞われたポーランド旅行の印象もあり
吹雪に逆らいながら歩くさなか、
イヤホンから流れていた印象が強い

Why am I so terrified of waking
He's gone and I feel I've been forsaken
迫力のあるLissieの声に合わせて、悲しい歌詞を口ずさみながら歩くと
なぜか、勇ましい気持ちになれたのだった


思い出とともに、でもまったく違った気持ちで曲を聴くことができるから、
こういうセルフカバーが好きだな
ライブバージョンを聴くのも本当に好き

2020年のわたしなりの記憶の層も
きっと、尊く感じる日が来る

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ようやく、ちょっと時間ができたからと
また、作り目

しかも、これまでやったこともないモヘアの細い糸、3本どり
色んな糸で色んなパターンを編んで、技術を身につけたいからだけれど
いったいどこを目指しているのやら

まあ、目指すものなんて
きっとなくていいんだけれど


それにしても、やっぱり初めてのモヘアは編みづらい
複雑な作り目をしなければいけなかったこともあり、
全然うまくいかず4回もやり直して
絡まった糸が、随分もけもけの状態になってしまった

それでも、苛立つ気持ちよりも
新しいことをやるのが楽しい気持ちが勝つ
わたしは編み物がほんとうに好きなんだなと、
こういうとき、思う

 

きのうは、休み
2時間ほどは仕事をしたので、完全な休みと呼べるかはさておき
とにかく休みだった

終日休みにできた日は、
実は、先月恋人と奈良に行った日以来
ほぼひと月ぶりだ

最近は、毎日夜中まで梱包やメールの対応があり
もともと睡眠は安定していないので、体力も回復せず
自分でも、どうしたらいいかわからない状態だった
やっと、ちょっと一息ついて
ひとりの人間ができることには限りがあるのだと、知る

仕事への気持ちが薄れることはなく
全部やります、全力でやります、そう思っているからこそ
もうすこし、休みが必要

 

留学前、東京の雑貨店で忙しく働いていた頃のこと
店の最寄り駅近くに、通っているカフェがあった
深夜1時までやっている、パスタの美味しい店
日付けが変わっても寄れるのが、うれしかった

そこの店主さんは、やっぱり激務の“雇われている人”で
だから、ふたりでいろんな話をした
急な階段の上から、おやすみなさーい、と見送ってくれる
そのあたたかさに、いつも救われていた

その後、彼女は体調を崩してそのまま辞めてしまって
ちゃんとお別れさえできなかったし
古いビルにあったその店は、ほどなくしてビルごと取り壊されてしまった
けれど、いまも限界まで忙しくなると、
カウンター越しや階段の上からの、彼女の笑顔を思い出す
なんでだろうと、いつも不思議だけれど
条件反射なのか、思い出をお守りのように携えているからなのか、
長い時間が経っても、わたしを救ってくれる気がする

もう、向こうはわたしのことなんて覚えていないだろうけれど、
それでも

それにしても、あの頃もほんっとに忙しかったよなあ
あれを思い出すと、なんでもできる気がして危険

 

さて、落ち着いたのも束の間
明日か明後日には、4個口の荷物が届くはずだ

検疫や通関が終わったのは、喜ばしいけれど
木曜日までに、果たして検品と撮影と片付けが終わるのか
もはや神のみぞ知る

とにもかくにも、愛しているものが届くのだから、
楽しくまいりましょうね

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たくさんのレターパックを抱えて、郵便局へ
全部差出したら、ふわりと気持ちが軽くなり
繋がれていた糸が切れた風船みたいに、ふわふわ、散歩

植物も、すうっと通り抜けていく風も、
強さがなく広がっていく光も、秋だ


しゃがんで、つつましく咲いている花を眺める
西陽に照らされた、虫食いだらけの葉は
金色の網のようで美しい

たった15分でも
こういう時間が必要だと、わかっている
ずっと、そっと、こんな風にして、
毎日を繋いできたのだから

 

仕事場に戻ると、またたくさん届いていたメールの中に
お客さんからの、荷物の到着の連絡があった
十人、二十人にひとり、こんな風に、
“返信はいらない”という気遣いとともに、お礼を送ってくださる方がいる

とくに今回は、あまりに自分の限界を超えていたので
お客さんには、なにも特別なことができなかった
それでも、商品や、シールやショップカードのことを
“お便り”が届いたようだった、と書いてくださっていて
自惚れかもしれないけれど、気持ちが伝わったようで、うれしかった


先週、ショップカードを栞にした、と伝えてくださった方もいて
それも、とてもうれしかったな

わたしも、気に入ったカードは香水をシュッとして本に挟むので
自分のところのカードも、どこかで栞にしてもらっているのは
くすぐったくて、ちょっと不思議

 

きょうは、二週間ぶりくらいに
ちょっとだけ編み物もした

明日は、ひさしぶりの半休になりそう
美容院に行って、夜は仕事をせずに本を読むぞ

人間らしい生活を
すこしずつ、取り戻す

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先週分の注文の梱包を、なんとか全部終えた朝
秋らしい新しいシャツを、おろした

寝ても覚めても働いていた今週を
ようやく、終える

 

さらに散らかってしまった仕事場を
気持ち片づけながら、在庫について考える
実際に動いてみないとわからないことは沢山あって、
だから、動きだした今、わたしは先のことを考えないといけない

今週も、慌てて2件、発注をしたけれど
来週も忙しくなりそう


それにしても、カレンダー
これだけは本当に毎年動きが読めず、予想が外れっぱなしで
一昨年は11月にほぼ品切れ、昨年は逆に余らせてしまった

今年は、ものの数十分で昨年の販売数を超え、右往左往
届いたばかりなのに品切れ間近という状況に陥ってしまい
すぐに再発注するはめに

カレンダーとの駆け引きはつづく
まだまだ修行がたりません

 

お客さんから、お祝いにいただいたお花は
深く爽やかな、ハーブの香りがした
香りがよいものをとオーダーしてくださったと聞いて
ほんとうに感動してしまった

ここに来ると楽しい、好きなものがみつかる、と
伝えてくれる人がいる
わたしはいつだって失敗ばかり、目の前のことで手いっぱいで
ぜんぜん自分に自信が持てないままだけれど、
しゃんとしてないと、失礼だよなあと思う


真摯でいること、繊細でいること
目の前のものにまっすぐに、目の前の人に言葉を尽くすこと

しつこいくらいに言っているけれど
小さな雑然とした店で
こうありたいと思う姿だけは、ひとつ

形がすこし変わっても、さらに忙しくなっても
なにも、見失うことがないように

 

一週間近く、日記を書かなかったというのは
けっこう久しぶりのことじゃないだろうか


この一週間、なにをしていたかというと、
まあ、朝も夜もなく仕事をしていた
休んでいる時間というのが、お風呂くらいなので
携帯を持ち込み、LINEでの会話などはそこで
ほかに娯楽と言えるのは、金曜日のおやつ活動だけだったことを考えると
水の外では、食事と短い睡眠以外、ほとんど働いていたことになる

普段から、実は仕事の時間は長いわたしでも
これは、さすがにしんどかった
恐ろしいことに、まだ終わりが見えないのですけど

うん、でも
仕事があるというのは、それだけで贅沢だ
本当に!


予想をはるかに超える量の発送を
一気にしなければいけないことになったので
両親との協議の末、
きのう車を出してもらい、必要なものをほぼ全部店から持ってきて
リビングの一角に、出張店舗…というより
要塞のようななにかを築いた

家族を巻き込んで本当に申し訳ないのだけど、
おかげで、ずいぶん助かっている
店やわたしの部屋では、そもそも動けるスペースがなくって、
とてもこの量は効率よくこなせない

今後は、さすがにこんなことはないんじゃないかなあ
これも、いつかなつかしく思い出したりするのかな
とか、思ったり

 

この一週間
お客さんからメッセージをもらう機会が、とにかく多かった
全国に、この小さな店を見ていてくれる人が居る、ということが
わたしは、いまだに信じられない

温かい言葉をかけてもらうと
本当に掛け値なしに幸せな気持ちになるね
とてもとても嬉しく、ありがたいし、
自分も言葉を惜しまない人になりたいと、いつも思う

とりあえず、あと2日
このまま全力でやっても、ひと段落つくかどうか
もらった気持ちを糧にがんばるぞ

 

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納品書の仕分け用ファイルは、スタインウェイ
気分だけでも、美しく!

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こんなに余裕がなくなるものか、というくらい
余裕のない、日々
寝ても覚めても仕事をしている

でも、とりあえず
いまは根を詰めるときと、腹を括ったわけなので


ビルの共有スペースに、即席の撮影セット
通りかかった上階の人たちが、
お、なんか本格的になってませんか、と笑う

反射的に口をついて出た、
すこしは良くしたいなと思って、という言葉が
なによりの本音

しかし、自分のこの融通のきかないところ、
もうちょっとなんとかしないとねえ
撮影も、ちょっとした説明を書いたりするのも、
このままじゃ一生終わらない気がするよ

 

こうして、毎日毎日、ひとつのことに向き合っていると
自分の内側にあるものを、思い知らされる

真面目っていう病気、と
数えきれないほど言われてきた
誰もがなにかに苦しんでいると、わかってはいても
とかくこの世は生きづらい

それでいて、人になにかを向けられることに弱く、
ちょっとしたことですぐ消えてしまいたくなる性格なのに
よく、なんだかんだで店をやっているなと思う
結局、この仕事がほんとうに好きなんだろうな

わたしには、まだ、
ちゃんと、届けたいものがある

 

あさってから10月
どうか、よりよい日々になるように

この先に手を伸ばすための9月との
別れを、惜しむ

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恋人と会うのは8ヶ月半ぶり
京都の外に出るのは7ヶ月ぶり
屋内での外食は半年ぶり

人生の一部がぱたりと止まったような2020年
あまりに変わった日常に慄く気持ち半分、
何ヶ月ぶりだろうと変わらないものがあることに安心する気持ち、半分

 

きっとそれほど混んでいないだろうと
日曜は、奈良公園へ行くことに決めた
ところが、奈良市中心部に向かう道がもう大渋滞
予想外の事態に、困惑してしまう

着いてみると、鹿はみんな
お腹がいっぱいという雰囲気で眠たげ
きっと連休に入ってから、鹿をはるかに凌ぐ数の人がえさをやったに違いなく
鹿せんべいを差し出しても、口をつけてもくれない

鹿を愛する恋人は、悲しげにしながらも
人を避けつつ、せんべいを食べてくれる鹿を根気よく探し、
あちこちに鹿せんべいが捨て置かれているのを見ては
鹿せんべいを捨てるような奴は最初から買わない方がいい、
鹿への愛が足りない」と怒っていた
真っ当だ

結局、とにかく人と接触しないようにと動いていたら
外ではほぼ何もできずに終了
だけど、予約していたアフタヌーンティーは、
ほとんどお客さんがいなくて、気をつけて静かに楽しめた

ふたりともずっとマスクをして、窓を開けて、という
いつもとは違うドライブだったけれど
ひさしぶりの、うれしい休日だった

 

わたしの仕事は、全方面でコロナの影響があり
とにもかくにも、この数ヶ月、辛かった
だから、遊びに行けないこと、大事な人に会えないことを
まずそれより仕事をなんとかしなくちゃという感じで、
相対的に軽く見ていた気がする

だけど、こうして恋人と会うと
彼の近くにいて、その明るさを浴びられないことで
どれだけ栄養不足になっていたかを、知る
一緒にいるとひたすらに笑っているわたしに、
彼は、燃費がいいと言っては感心しているけれど
きみと会っているときのわたしは、燃費がいつもとは違うんだぜ

今年、もしかしたらもう会えないということもあるのか、と思うと
黒い雲が胸のうちに広がるような気分だけれど
それでも、いつか好きなだけ会える日までも、そんな日が来てからも
この人との関係を、いい温度と湿度を保って大切にしたいと、思った

14年目
まだまだ、新しい気持ち

 

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ビビッドな夕焼け
ちょっと怖いねえ、などと言い合う時間が
なんだか特別なものに感じた
わたし達は、普段、天気や空の色を共有していないから

この日をとても、とても楽しみにしていた分
魂が抜けてしまったような気分だけれど
小箱にでも入れてそっと仕舞っておいて、
ときどき眺めたいような日を、いま過ごせたことを
なにより、喜ばないといけないな